君の名前で僕を呼んで

2017年公開の作品です。

基本、WOWOWの冊子が届いたら、初放送の作品を探して観ています。

そんな軽い気持ちで観てみた映画でしたが。

 

ともかく美しい。

舞台となる街や家、

夏という季節の透けるような青空、

そして登場人物たち。

全てが日本とはかけ離れています。

(青空は日本にもあるかな)

その中でも特筆すべきは、主人公の少年です。

透明感のある肌と瞳、魅了されずにはいられませんでした。

 

映画の内容としては、ひと夏の愛の思い出、という感じでしょうか。

最後にお父さんが彼にかける言葉が優しかった。

少年の両親は、とても器の大きい人たちだとも思いました。

 

この映画は絶賛されています。

その恋というべきなのか、愛というべきなのか、その胸をつぶされるような苦しさを疑似体験させてくれる映画だと私も感じました。

 

しかし、私にはもやもやする映画です。

彼は最後には愛する相手と別れることになるのです。

その理由が、もともといた婚約者と結婚するから、という理由です。

二人の間に存在した愛は彼の中に残ったままなのに。

これは、同性を愛することを隠して生きてきた青年が、自分がひと夏お世話になる教授の息子が自分に気があることに気が付き、今まで隠して我慢していたことをやめただけ、ということではないでしょうか。

少年の若さと美しさを思う存分堪能して、その思い出をこれからの長い余生のひそかな楽しみにしようとしただけなのではないでしょうか。

既婚者が、妻が里帰り出産している間に若い女の子を関係を持って、子供が生まれたら捨てるという構図と同じではないでしょうか。

そう思うと、最後のシーンで少年と共に泣いてしまいました。

 

映画の解釈は人それぞれですよね。

知恵袋で素晴らしい解説をしてくださっているものを拝見して、感銘も受けました。

ただ、美しい街にあこがれは募りましたよ。

イタリア、いいなー。